教員

HSP気質の教員がうつ病になり、転職を決意をした話

みなさん初めまして。

「おゆ」と申します。

おゆ

「人がどう感じているか、どんなことを考えているかきになってしまう」
「大きな声や音に、いつもびっくりしてしまう」
「人間関係に心を振り回される」

こんな悩みが重なって、ストレスになっている方もいるでしょう。

もし同じ悩みをもっていたら、私と同じ「HSP」という気質かもしれません。
私はうつ病になった後に、自分がHSP気質だということに気づき、教員を辞め、転職する決意をしました。

今回は、辞めるまでの話を交えながら、私が悩んだことを書いています。
同じ悩みをもつ方の気持ちを少しでも楽にできる記事になれば幸いです。

1.HSPとは?

最近「繊細さん」という言葉を聞くようになりました。HSPという気質は、この「繊細」という言葉がぴったりです。

HSPとは、生まれつき「非常に感受性が強く敏感な気質もった人」という意味で、「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」と呼び頭文字をとって「HSP(エイチ・エス・ピー」と呼ばれています。

マドレクリニック http://www.madreclinic.jp/pm-top/pm-symptom/pm-symptom-22/>

環境や性格のような後天的なものではなく、生まれながらの気質です。人口の約2割の人がHSPの気質をもっています。
そこまで少なくないように思えますが、約8割の人が当てはまらないと考えると、どうしても共感してもらえないことが多いです。

「繊細さん」なので、空気が読めない人ではありません。
HSPは「空気」にとにかく敏感で、察しが非常にいいという特徴があります。
例えば、小さな仕草や言葉、表情の変化から相手の気持ちをくみ取ったり、さまざまなことに深く感動できたりします。
その反面、傷ついた人に感情移入したり、大きな声や音にびっくりしやすかったり、物事を深く考え込んでしまったり、という悩みを抱えやすいです。

HSPセルフチェック

「もしかしたら私もHSP気質かも......」

そう思う方もいるでしょうから、自分がHSP気質かどうかがわかるセルフチェックをしてみましょう。

次の項目を見て、少しでも当てはまるなら「はい」と答えてください。
最後に「はい」と答えた数でHSP気質かどうかがわかります。

1. 自分をとりまく環境の微妙な変化によく気づくほうだ
2. 他人の気分に左右される
3. 痛みにとても敏感である
4. 忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所にひきこもりたくなる
5. カフェインに敏感に反応する
6. 明るい光や強い匂い、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい
7. 豊かな想像力を持ち、空想に耽(ふけ)りやすい
8. 騒音に悩まされやすい
9. 美術や音楽に深く心動かされる
10. とても良心的である
11. すぐにびっくりする(仰天する)
12. 短期間にたくさんのことをしなければならない時、混乱してしまう
13. 人が何かで不快な思いをしているとき、どうすれば快適になるかすぐに気づく
(たとえば電灯の明るさを調節する、席を替えるなど)
14. 一度にたくさんのことを頼まれるがイヤだ
15. ミスをしたり、物を忘れたりしないようにいつも気をつける
16. 暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
17. あまりにもたくさんのことが自分のまわりで起こっていると、不快になり、神経が高ぶる
18. 空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応が起こる
19. 生活に変化があると混乱する
20. デリケートな香りや味、音、音楽などを好む
21. 動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している
22. 仕事をする時、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる
23. 子供のころ、親や教師は自分のことを「敏感だ」 とか 「内気だ」 と思っていた

ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。
エレイン・N・アーロン [著]・冨田香里 [訳] 講談社 / ソフトバンク文庫

どうでしたか?

「はい」と答えた数が、12個以上あるとHSP気質があると考えられています。
またこの数が多いほど、HSP気質が強いことを表します。
私は、23個中20個当てはまっていました。

2.教員×HSPは相性最悪

なぜ教員とHSP気質の相性が悪いのかを、体験を交えて話します。

学校では、さまざまな人間関係が渦巻いています。
友達同士はもちろん、先生同士、先生と生徒、先生と保護者と生徒……枚挙に暇がありません。

私は教員でしたから、先生同士の人間関係は自分でどうにかすることができます。

しかし、生徒同士の人間関係や、やりとりに関しては、どうにもできないことが多いのです。

例えば、仲間外れになっている生徒がいたとします。
原因はいろいろあって、どれもささいなことから始まってるものです。
かりに仲間外れにされた生徒が原因をつくっていたとしても、その生徒がきつそうにしていると、異常に感情移入してしまいます。

私にはこの感情移入してしまう気質が辛かった。
もう金曜日に生徒が落ち込んでいるものなら、私は土日の休みの間もずっと生徒の気持ちを引きずります。
休みの日であっても、心がまったく安まらないのです。

他にも、先生同士がギクシャクしているときも、感情移入してしまって気持ちが沈みます。

脳の中がいろいろな人の感情でぐちゃぐちゃになっている状態です。

胸が「ぐ~~」っと締め付けられているような感覚が自分を支配します。

教員は、教科の授業をすることも仕事ですが、人間関係の問題の仕事も多くのウェイトを占めています。

サラッと流して、自分と切り離して考えられる先生には問題なくても、私のように考える先生には特に辛い部分でしょう。

そんなこんなで9年間、教員をしながら悩まされ続けることになりました。

そして、うつ病になりました。

3.うつ病の症状

うつ病と診断される前に、私に起こっていた症状をお話しします。

同じような症状のある方は、なりふり構わず、すぐに病院にかかってください。
心療内科など、心理状態を看てくれる科がよいでしょう。

腹痛や頭痛が頻繁におきる

起きてすぐの時間に、腹痛や頭痛が起きやすくなりました。
頭痛で目が覚めたり、起きたときに変な汗をかいていたりすることが多かったです。
具体的に言えば、週に3~4日は腹痛や頭痛に悩まされました。

通勤中に「事故を起こせば……」と考える

私は車通勤で、片道40分ほど運転していました。
その途中で、「ここで壁にぶつかって事故でも起こせば仕事を休める」と考えることがほぼ毎日でした。
何回か本当に事故を起こそうと壁に向かっていったことがあったんです。
結婚もしていたので、パートナーの顔をふと思い出してとどまっていました。
今思えば、絶対やってはいけないし、誰も幸せにならない選択肢ですよね。

何もしていないのに涙がでる

これが末期症状でした。
限界のサインだったと思います。
朝起きると、まだ何もしていないのに涙が自然とでてくるんです。
悲しいわけでも、どこかが痛いわけでもないのに。
初めてのことだったので、調べてみたらうつ病の可能性があることがわかりました。
この症状が病院に行くきっかけになりました。

心療内科にかかり、心理テストと診断の結果、医師から言い渡されたのは

「重度のうつ病です。すぐに仕事を休みましょう。」

という言葉でした。

4.うつ病になって苦しかった3つのこと

うつ病になってから、たくさんの症状に悩みましたが、特に苦しかったことを3つ紹介します。

1.無気力

数ヶ月無気力な状態が続きました。仕事は休みになり時間はたくさんあるのですが、食事も趣味もほとんどやる気がでません。

幸いお腹は空くので、一日一食ぐらいは食べていました。
それでも、これまでの自分を考えると異常でした。
私はもともと、ゲームやドライブや読書など趣味が多い方です。
たくさんある趣味も不思議なことに何一つやりたいと思えません。

意欲がでるようになる薬というのを処方してもらって、少しずつ改善していきましたが、生きている実感がない日々でした。

2.悪夢

これは実は今だに見ます。

うつ病になる前は、ほとんど夢を見た記憶なんてなかったのですが、
うつ病になってからは、ほぼ毎日悪夢で目が覚めたり、起きたときに気持ちがどん底だったりしていました。
自分がコテンパンに否定されているような内容ばっかりで、毎日理不尽に怒られている感じです。
こうなると、寝るのが怖くなり、なかなか寝付けません。


病院からもらった睡眠導入剤でなんとか寝付く。
でも、悪夢で起きる。
寝るのが怖い。
の悪循環でした。

もしかしたら、休職していて迷惑をかけているという認識が心の底を支配していたのかもしれません。

3.小さなことへのイライラ

自分で言うのもなんですが、心は広い方です。
でも、うつ病になってからこれまで気にも留めなかったことにイライラし始めました
パートナーが昼寝している、食事を出してもらうのが少し遅くなった、近所の工事の音、ほんとうに何でもないことがイライラの原因になっていたんです。
心に余裕がなくなり、あまり寝られず、迷惑をかけている気持ちが奥底にあり続けている状態が、沸点を下げていたのだと思います。

今は、これらのことにイライラすることはありません。

5.うつ病から救ってくれたもの4選

1.薬

心療内科には生まれて初めてかかりましたが、薬というのは偉大なものです。
薬は、意欲を高めるものから睡眠導入剤、昼間の眠気を抑えるものまでさまざま。
胃薬や頭痛薬のような即効性はないですが、じわじわ良くなっていくのを実感できました。

2.本

同じような悩みを抱えている人がいるんだとわかると少し安心します。
HSPやうつ病になった人の本
不安を取り除く本
ささいなことに反応しない練習をする本
をよく読みました。

読んだ中で良かったと思うものをいくつか紹介しておきます。

3.キャンプ

うつ病の診断が下りてから数ヶ月。
医師から、なにか外でできる趣味を探した方がいいといわれ、新たな趣味を探しました。
条件として、
・一人でできる
・静か
・自分の都合で動ける
この3つが成り立つ趣味です。

ぴったり合ったのがキャンプでした。
家にこもるようになり、Youtubeを見ることが増えました。
キャンプの動画は静かで落ち着いて見れるので、すーっと心に染みこむんです。
伊豆の釣り主さんの動画なんて、ほぼすべて見てしまいました。

酒、キャンプ、暴飲暴食が好きな人にはたまらない動画です。

キャンプは一人でぼーっとして、好きなものを飲み食いできて、帰ろうと思ったら帰れるところがお気に入り。
土日だと混んでいるので、平日限定ですけど。

4.休職

正直一番効果があったのが休職です。
学校から離れないことには私の悩みは解決しなかったので、診断書のもつ効果というのは絶大です。
診断書をパートナーに持っていってもらって、その日から休みが決まりました。
そうならなければ、私の心は完全に壊れていたでしょう。

だから、私と同じような悩みを抱えていて、「やばいかも」と思ったら、すぐに病院に駆け込んでください。

心が壊れたら、直るまでに時間がかかります。

6.転職を決意

休職して、自分に向き合ったことで、
教員という仕事は、自分には持続可能なものではないという結論に至りました。

でも、学校という環境は好きなんです。
大人と子供が同じ環境の中にいて、子供もただ同じ地域、同じ年に生まれたというだけでくくられながらも、そこに様々な人間関係が生まれる、小さな社会。
そんな環境は好きです。
でも私には、その人間関係が心を壊すきっかけになってしまいました。

だから、学校に関わりながらも、濃い人間関係には触れずにすむ仕事を探しました。

それが今携わっているICT支援員という仕事です。

いずれICT支援員の資格についても記事にしたいと思っています。

ICT支援員になって、給与は下がりましたが、時間に余裕ができました。
余裕ができた時間で、Webライターやブログといった副業を始められました。

7.おわりに

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

教員という仕事は、ある意味人を選ぶ仕事だと思います。
ブラックだという声にはうなずいてしまいますが、魅力的なところもあります。

教員の大変なところ、やってよかったところはまた別の記事にまとめます。

とにかく、私と同じような悩みや苦しみを抱えながら、それでも頑張り続けている人は、
無理をせず、まずは自分の心と体を大事にしてあげてください。

またどこかでお会いしましょう。

-教員
-, , , , ,